明智光秀に触れる福知山サイクリング

福知山駅をスタートして福知山城、絶品スイーツを巡った福知山サイクリング。山から降りてきたら福知山駅に戻る前に再度由良川を渡る。

晴れた日には福知山の盆地を穏やかに流れる姿が見られる一級河川の由良川。しかし、その歴史は洪水の歴史と言っても過言ではないくらい、流域は度重なる洪水被害に見舞われてきた。

戦国時代の名将、明智光秀は福知山城下で治水事業を行い、その名残が明智藪として川のほとりに生い茂る緑の小山に見る事ができる。水の流れが変わる川辺に水除として木々を密集させ植えられているのが明智藪だ。

近年では、台風をはじめとした大雨により、浸水の被害を受けた福知山の市街。昭和28年、各地に甚大な被害をもたらした台風13号の際に、建物の2階までが浸水した町家を利用し水防の在り方を今に伝える治水記念館を訪れた。

由良川の畔に治水のために設けられた藪、明智藪が見える。

福知山市 治水記念館

町家の並ぶ通りにある治水記念館は、明治10年代に建てられた商家を改修して福知山の水防の歴史を今に伝える施設。

中には大正から昭和にかけて使われた生活道具や、これまでの水害による被害についての展示を見る事ができる。

市の中心部で土師川と直角に交差する由良川。上流部は急斜面により流れが早いが、ここ福知山周辺は傾斜が緩やか盆地を流れるため、増水時も水が溜まりやすく、増水した水量が福知山城を前に直角に流れる向きを急激に変えるため水が溢れやすい。

昔から水害に見舞われる事が多かったため、家屋にも工夫が凝らされていた。

明治時代に建てられた町家を利用した治水記念館。

これまでの水害時の由良川の水位を確認できる柱。

2階部分が水に浸かる

館内で昭和28年9月25日、当時の様子を再現した映像を観ると時間が進むにつれて雨量が増し、その後刻々と溢れた川からの水が建物を飲み込んでいく様子が分かる。

この商家の住人の方が1階部分にある商品を滑車と縄を使って2階部分へ上げ、また増水すると屋根裏部分へと上げ、避難する。最後には屋根を破り屋根の上へと避難。

幸い、建物が押し流されずに済み、住人の方も助かり映像は終わるが2階部分がほぼ水に浸かりながらも耐え忍ぶというのは、現代の家屋では難しく感じ災害への備えを当時以上にしなければという念に追われる。

数々の水害の経験から設けられた荷物を上げるための滑車と縄。この商家は呉服屋を営んでたという事で、吊り上げる荷物もさぞかし重かった事だろう。

2階のふすま。昭和28年の台風13号の際には赤い矢印のあたりまで浸水した。

度々洪水被害があったため、荷物を1階から2階に上げるための滑車と縄が設置されている。

意外な発見がある旅

これまで何度も福知山市には訪れた事があるが、この治水記念館は初めてだ。

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また、坂道の心配をする事もないため時間配分や疲労について、さほど気にする事もない。この事も行程に余裕が持てるようになるから新しい発見に繋がるようになるのかもしれない。

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治水記念館から堤防を挟んで由良川。川の右側に明智藪が見える。

昭和28年の台風13号の際には屋根裏から屋根を破って外に出たという。

• 福知山市 治水記念館
• 京都府福知山市字下柳39
• JR福知山駅から1.5km
• レンタサイクル：福知山観光協会にレンタサイクルが設置されています。

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