COLUMN 【サイクリングスポット】久美浜湾を一周するクミイチで発見した京丹後の奥深さ
京都丹後鉄道久美浜駅から
京都府最西端の鉄道駅舎の久美浜駅にはレンタサイクルが設置されていて、クミイチはもとより駅周辺の散走にも気軽に利用できる。駅の周辺にはかつて、この地で豪商と呼ばれた稲葉家の屋敷と関連する明治時代からの建物が残り、久美浜駅からスタートした後、ほどなくして久美浜の歴史的な側面に触れる事ができるだろう。
海を間近に感じながら走る道
久美浜湾を一周すると約15km。途中にある、かぶと山展望台までの道と湾の西側を除けば平坦な道が続き、さらに海面にほど近い場所を走る事になるため、透き通った海を終始感じる事ができる。時々立ち止まって、海の中を覗けば、澄んだ水の美しさに感動するだろう。あいにく、今回の取材時は目まぐるしく変わる天候に、絵に描いたような青い海は見る事ができなかったが、その澄んだ海の水は、ここで獲れる海産物の美味しさを頭の中に想像させてくれた。
美しい海面に近い位置で巡るクミイチ。途中で休憩するのにも困らない。
木々が生い茂る登り坂の、かぶと山展望台への道。森林浴気分が味わえる。
道を外れるとそこに新たな発見がある
かぶと山展望台を訪れると、周辺の案内図に目が留まった。ソフトクリームがマストな丹後ジャージー牧場の近くに何気ない存在感で「塚の鳴る古墳」とある。古墳というとこんもりとした墳丘墓には馴染みがあり周囲から墳丘を見るのが常だったが、どうもこの塚の鳴る古墳は違うようだ。
そんな匂いを辿って、予定していたルートを少しだけ外れ古墳に赴いた。
丹後ジャージー牧場の周囲には田園が広がる。その田園風景の中にいかにも古墳らしい林が見えてきた。ここには石室があり、石室の中まで足を踏み入れる事ができるらしい。しかし、夏真っ盛りとなる7月だけあって緑が生い茂り、その石室までの道が分からない。久美浜湾一周ならぬ、古墳を3周。3周して諦め、道なき道を入り石室を探した。
誰もいない竹林の中に「おそらくこれだろう」と思わせる盛り上がった土が見えた。近づくと数個の岩が目の前に現れ、石室の看板と石碑に出会う事ができた。
塚の鳴る古墳は古墳時代末期の6世紀に造られた古墳だ。後の新田開拓の際に発見され江戸時代中期には一番大きな岩が当時の代官陣屋の庭石へと持ち去られた経緯を持つ。
概要を説明している看板は斜めに倒れ掛かっているものの、石室の中には苔が付くことなく立つ地蔵が。パワースポット的な何かを感じずにはいられないだろう。
一周した後は、ブランコ ゆらり で締めくくる
久美浜湾から海岸沿いを北に行くと浜辺に木製のブランコがある夕日が浦海岸に着く。クミイチで久美浜を訪れたなら時間が許す限り、この夕日が浦海岸も訪れておきたい。
浜辺に設けられたブランコ ゆらりを見ながらしばし黄昏の時間を過ごすのも良し、もちろん大切な人と一緒にゆらゆらと揺られるのも良し。ネーミングから夕日が沈む時間帯が特に美しい事で有名だが、そこは懐の深い丹後ブルー、訪れた人に時間帯を問わず心地よい気分にしてくれる。
乗らずとも眺めているだけで癒される夕日ヶ浦海岸のブランコ ゆらり。
- クミイチで発見した京丹後の奥深さ
- 久美浜駅-豪商稲葉総本家-小天橋海水浴場-夕日ヶ浦海岸-かぶと山展望台-丹後ジャージー牧場-塚の鳴る古墳-久美浜駅
- 距離:約30km
- 消費カロリー:約800kcal
- レンタサイクル:京丹後鉄道久美浜駅にレンタサイクルが設置されています。
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