COLUMN シクロクロス入門 秋から冬の自転車イベント シクロクロスを詳しく解説
- シクロクロスってどんな競技?
- いつどこでどんなレースがされてるの?観戦は?
- ロードバイクとシクロクロスの違いって何?
- シクロクロスの魅力はこれだ!
- まとめ
1 シクロクロスってどんな競技?
【自転車に乗るだけじゃない?担いだり、飛んだり...なんでもありのシクロクロス】
シクロクロスの起源は諸説ありますが、オフシーズンに入ったロードレーサーたちが冬場に行っていたトレーニングがそのままレースとして始まったと言われています。
バイクコントロールの向上も目的の一つとしていて、ロードレーサーでは走れないような不整地の上で行われる事が特徴です。
シーズンは9月〜2月ごろで、
2〜4kmほどの特設コースを30分〜60分という決められた時間の中で周回し、順位を争います。
レースはレベルによってクラス分けされており、大きく分けて全部で4つのクラスがあります。
各レースで良い成績を残すとC4→C3と、昇格していく仕組みで、それぞれのクラスによって競技時間が変わります。
C 4 30分
C3 35分
C2 40分
C1 60分
そのほかにも年齢別によってさらに細かく分けられ、それぞれ自分に合ったレベルで出られるのもシクロクロスの良いところでもあります。
選手が走るコース上にはシケインと呼ばれる障害物や、一見、自転車では乗車不可能な急な登りや斜面が取り入れられ、「あえて」自転車に乗ったままクリアするのを難しくして、見せ場を作っているのが特徴です。
基本的には自転車に乗った状態でクリアするほうが速いため、選手たちは持ち前のテクニックで難しい区間を乗車するように頑張るのです。
もちろん、こんなの乗ったままじゃ無理だ!と思ったら自転車から降りてもOK。
その場合自転車を押したり、もしくは担いだりしてその区間をクリアしてゆきます。
このような、乗っていけるか微妙なセクションを選手たちが通過するだけでも面白いです。
競技時間が1時間以内と、見ている方も退屈しないポイントですね。
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2 いつどこでどんなレースがされてるの?観戦は?
【あらゆる地形がレース会場になるシクロクロス...観戦エリアはどこでもオッケー!】
シクロクロスレースで使用される会場は様々です。
海岸沿いに作られたコースであれば砂浜の上を走ることになりますし、一見、ただの土の上を走るような公園でも、雨が降ったり、朝露が降りたりすると、自転車を漕ぐのすら困難なコースに変貌したりします。
基本的に国内で行われるレースは、運動公園、 、または海沿いの海浜公園などが使用されることが多いです。
会場内に作られるコースはテープで仕切られ、選手が通過するテープ内のコースに入らなければ基本的にはどこでみてもOKです。
コースは観戦する側にも見やすく、そして楽しく作られているのがポイント。
会場の多くはフードカーが出店し、フライドポテトとビールを片手に、仲間同士ワイワイ観戦なんてこともできちゃいます。
殆どのレースはコンパクトにまとまっており、会場内を大きく移動することなく、コース全体を見渡すことができます。
「自分の応援する選手が今どこにいるのか?」
「次の周回でまた観戦できる!」
会場がコンパクトなのは嬉しいですね。
レース開催の日時、場所などの詳細は
一般社団法人日本シクロクロス競技主催者協会"AJOCC"のサイトで確認することができます。
あなたの街の近くでも開催されているかも?
場所によっては、こんな区間も多いので、実際に見に行く際は動きやすい靴、汚れても良い服装で行くのをお勧めします!
3 ロードバイクとシクロクロスの違いって何?
【グラベルロードの登場で、線引きが曖昧になってきてはいるが...】
前述の通り、シクロクロスはさまざまな路面に対応すべく、振動吸収性はもちろんのこと、細かな加減速の際の反応性など、ありとあらゆる性能が求められます。
ディスクブレーキや幅広タイヤ...、今ではロードバイクでも当たり前となった装備ですが、シクロクロスの場合、泥が詰まることを想定され、フレームとホイールのクリアランスが多く取られていたり、担ぐことを想定してフレームに肩を入れやすい造形になっていたするのが特徴です。
最近だとグラベルロードという部類の車種が出てきて、シクロクロスとの境界線が曖昧になってきていますが、シクロクロスの場合、多くは反応性を重視したフレーム設計になっているのが1番のポイントです。
その他にもダボ穴の有無など、見てすぐわかる部分はありますね。
そんな懐の深さが売りのシクロクロスバイクはかな〜りいろんな用途に使えます。
筆者は通勤、練習、レースと3シーズンほど全て一台でこなしていました。
ハードな状況で使うことが前提ですから、雨の日でも舗装の悪い道でもガンガン使えます。
ギアを変えればロードバイクにもついていけちゃいますし、もし自転車を一台しか持てないと言われたら、私はシクロクロスを選びたいです。
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4 シクロクロスの魅力はエンターテイメント性!
【観る方も、走る方も...どっちも楽しめちゃいます!】
自転車レースというと選手が淡々と走っているイメージがありますが、シクロクロスの場合、観る方にも退屈させない工夫が随所にあります。
競技時間が〜1時間と短いため、選手は常に全力で、走ってる姿もとにかく激しいです。
全長3km前後という、限られた距離の中でレースをするため、選手は目の前を何度も通過することになります。
観戦する方も休んでる暇はありません。
全力で応援しましょう!
そのためシクロクロス会場は会場全体がコンパクトにまとまっていることがほとんどで、小さいお子様連れの家族や、友達、恋人などと行っても迷子にならず、応援したい選手がすぐ見つけられるのも良いポイントですね。
そして、
シクロクロスはロードレースでいうところの脚質があまり関係ありません。
ロードでは登り得意な人、平地が得意な人と別れ、仲間内でもそれぞれの得意分野で分かれてレースに参加...なんてことがありますが、シクロクロスの場合、それぞれの脚に関係なく、みんなが同じ会場で楽しめちゃいます。
シクロクロスは不整地の上を走るので、路面コンディションによって自転車の進ませ方が微妙に変わります。
舗装路と同じような踏み方をするとすぐにタイヤが滑ってしまうので、ペダリングはもちろんのこと、コースによってタイヤを変更したりします。
同じ泥の上でも、その土地の土の質によって踏み方が変わったり、コースに合った機材を研究したり...こういった要素がまた奥深く、面白いのです。
筆者は砂の上を走るのが得意だと思っていた時期がありましたが、その砂浜の区間にてランニングが異常に速い人に抜かされた経験があります。
自分が砂の上を自転車で走るスピードより、自転車を担いで、走った方が速かったようです。
乗ったほうが速いか?担いだほうが速いか?
こんなことを考えるのも楽しさの一つです。
砂浜?泥の上?それともランニング?
あなたは何が得意でしょう?
レースに行って、ぜひ確かめてみてください。
まとめ
誰しもが小さい頃、自転車の上で泥だらけになった経験があると思います。
雨が降った後の公園で水溜りに突っ込んで、家に帰るとお母さんに怒られたり...
シクロクロスはそんな幼い頃の、自転車を遊び道具として使っていた頃の記憶を蘇えらせてくれます。
今回はシクロクロスの世界を紹介させていただきましたが、これはあくまでごく一部。
もっともっと深い世界がそこにはあります。
これからの更新もお楽しみに!