COLUMN 【サイクリングスポット】限りなく自由に近い乗り物 自転車 ~大阪府堺市 シマノ自転車博物館~

世界遺産のまち、大阪府堺市。

仁徳天皇陵に代表される古墳群が市内に点在。古代から続く堺の歴史は産業の歴史と言っても過言ではない。

大規模な墳墓を建設するため、鍬や鋤といった鉄を使用した道具を生産。その後、寺院の鐘をはじめ、刀、鉄砲などの生産へと移り、近代には自転車の部品製造へと堺の産業は受け継がれた。

現在は、「自転車のまち、堺」とも言われる堺市。ここ自転車のまち、堺には自転車の歴史を集めた自転車の博物館がある。

堺散走

古墳、寺院といった歴史的な見どころの多い堺市は、散走をするのに最適な場所。南海電鉄 堺東駅近くにある堺市役所にはシェアサイクルのサイクルステーションが設置されているので、今回の自転車博物館はもちろん、周辺の散走スポットを巡るのにも便利だ。

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堺市役所のサイクルステーション。市役所には展望フロアもあり、市内を一望できる。

 

シマノ自転車博物館

堺市役所から400mほど北に行った所に、シマノ自転車博物館がある。

以前は仁徳天皇陵の近く、大仙公園に隣接する形であった施設を2022年にこの場所に移転した。それまでの建物よりも広く取られた建物は、エントランスからゆとりのある空間となり、前の道を行く人の目にもガラス越しにクラシカルな自転車が見え、展示フロアまでは行かずとも気軽にエントランスの自転車を見る事ができる。

受付で入館料を払い、ゲートイン。

2階にあるヒストリーシアターに入ると、時間軸に沿って自転車の生い立ちが分かるように形状の異なる乗り物が並んでいるのが見える。

展示車の前にあるタッチパネルを操作すれば、その乗り物の解説がモニターに映り独特な形状の理由や素材などを確認できた。

間もなくするとパノラマシアターに、自転車の歴史が映し出された。

ペダル、クランクが無く、地面を蹴って進んだ二輪自動車の始祖、ドライジーネから始まり数々の発明家たちの生み出した乗り物が映し出され、自転車だけでなく自動車や飛行機の発明へと繋がった歴史も含め、広い建物をふんだんに使ったパノラマシアターで壮大な自転車の歴史の旅を楽しめた。

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ガラス張りの建物は外からも気軽に自転車を覗くことが出来る。外の柵のように見えるのは自転車スタンドだ。

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シマノ自転車博物館が定義する自転車。自分の力で思うがままに進み 行きたい場所へ好きなペースで行ける 限りになく自由な乗り物。

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地面を蹴って進む二輪自転車の始祖、ドライジーネ。

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迫力のあるパノラマシアターで自転車のタイムトラベルに出発。

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展示車前のタッチパネルで概要を確認できる。

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女性の社会進出の象徴にも例えられた自転車。日本ではこの形状に前かごが取付けられ日本独自の進化を遂げていく。

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左が競技用、右が生活用。競技用はスピードといった世界共通の目標に向けて進化したためほぼ万国共通の形状だが、生活用は国々、土地土地によって使われ方が異なるため様々な進化形状を持った。写真はオランダの牛乳運搬用自転車。

 

自転車のひろがり

パノラマシアターの展示エリアで誕生からの歴史を学んだ後は、現代の多様な自転車が展示されている「Bゾーン 自転車のひろがり」に入る。

シアターの雰囲気とは変わり、ドイツ製の特殊ガラスを使用した採光を採り入れた眩しい空間が目の前に広がった。

自転車は外で乗る乗り物。

太陽のもと乗る自転車を演出するため、博物館としては珍しく光輝く展示スペースとなっている。

ここでは、乗る人、目的によって異なる現代の自転車や、自転車自体の構造を紹介する体験展示や部品一点一点の展示、映像が流れ自転車の全てを学ぶことができる。

変速やブレーキの仕組みなどの体験展示は自転車に乗らない人にも分かりやすいよう展示されていて、夏休みの自由研究材料にもオススメだ。

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様々なライフスタイルに合わせた自転車が並ぶ。

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ドイツ製の特殊ガラスを使った採光は開放的で自転車に乗りたくなる空間を演出している。

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スイッチを押すと車輪が回転。ブレーキや変速の仕組みを学べる体験展示。

 

自転車とこれから

過去、現在、そして最後に設けられているのが自転車の未来を展示するスペース。

サイクルの言葉にも表されるように、自転車は循環しその循環によってどのようなメリットが生まれるのか?を紹介。

健康に代表されるカラダへの好循環。

環境への負担軽減などで生まれる社会への好循環。

サイクリングやイベントなど仲間との触れ合いで生まれる交流への好循環。

観光や交通といった街づくりで生まれる場所への好循環。

最後に自転車とつくるサスティナブル社会の映像を鑑賞したら、誰もが自転車に乗りたくなる気分になるだろう。

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自転車に乗るとどんな良い事があるのか?親しみやすい壁面絵巻で分かりやすく紹介している。

 

アーカイブ

壮大な自転車のタイムトラベルの後は、書庫や特別展示なども見ておきたい。

歴史や、技術、伝記、そして環境などの現代社会に対しての自転車について書かれた蔵書はもちろん、データベース内にはシマノ自転車博物館が企画催行している「夏休みこども絵画コンクール」「こんな自転車欲しかってん!コンテスト」に応募された作品が無数に保管されている。

毎年、2万~3万点の応募があるというコンクール。30年以上の歴史あるシマノ自転車博物館だけに、最近の応募は初期の頃のお子様が応募される事も多いという。

こんなところにも自転車が生み出す好循環が表れているようだ。

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書庫に並ぶ自転車関連の図書とアーカイブ資料を閲覧できるPCモニター。

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特別展「ロードバイクの進化」。鉄、アルミ、カーボンのロードバイクにそれぞれの時代の用品が並べて展示されている。

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所蔵の自転車が保管されているのが見える。

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1890年代から始まった堺の自転車産業の歴史。

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歴代のハイエンドロードバイク/マウンテンバイクコンポーネントが展示されている。

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「こんな自転車欲しかってん!コンテスト」入選作品。

 

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江戸時代には鉄砲部品の製造所が多く、鉄砲町という町名の町もある。

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自転車のまち堺市 にあるシマノ自転車博物館。

 

自動運転をはじめ様々な移動手段、乗り物が現れている現代。

自分の力で思うがままに進み 行きたい場所へ好きなペースで行ける 限りになく自由な乗り物。という自転車の定義はどこか開放感を感じる響きだ。

古代から産業の盛んだった堺が育んだ、ものづくりの精神は自転車という自由な乗り物となって、堺から世界に進んで行く。

  • シマノ自転車博物館
  • WEBサイト 外部リンク
  • 大阪府堺市堺区南向陽町2-2-1
  • 堺市役所にハローサイクリングのサイクルステーションが設置されています。

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