COLUMN 【自転車相談室】カーボン?アルミ?スチール? -2024モデルで見るロードバイクの種類と選び方-
- ロードバイクの種類
- ロードバイクの素材
- 付属している部品(パーツ)
1.ロードバイクの種類
一口にロードバイクと言っても、用途に合わせて大まかに下記のような種類があります。
- 軽量
- エアロ
- ロングライド
- オフロード向け(グラベルバイクとシクロクロスバイク)
レースやイベントなどにフォーカスし軽量モデルやエアロモデル。
週末にソロや仲間と楽しむためのロングライドモデル。
オフロード向けは河川敷の砂利道から林道などの悪路に対応。
それぞれフィールドや使い方によって形状や使われている部品(パーツ)に違いがあります。
1-1. 軽量
峠を登る事に挑戦するヒルクライム向けとして登場した軽量モデルですが、素材の進化と共に、剛性も高く乗り手のパワーをロスする事無く路面に伝え、オールラウンドで使えるレース用のロードバイクになってきています。
単に軽いだけでなく、総合的に見て使いやすい万能なためロードバイクの種類の中では高い人気があります。
タイヤサイズは700x25c、ギア構成はフロント52/36T リア11/34Tのような構成が最近の主流です。
- タイヤサイズ:700x25c
- ギア構成:フロント52/36T リア11/34T
1-2.エアロ
エアロ形状のロードバイクは、フレーム前面の投影面積を減らす事や後方への空気の流れを良くするようにフレームをデザイン。空気抵抗を低減し、乗車による疲労の低減や乗り手のパワーを効率よく使うための工夫が施されています。
空気を切り裂いて進むエアロロードは、なかなか前に進んでいる感覚が無いような向かい風の中で効率よく進むバイクです。
タイヤサイズは軽量モデルよりも若干幅の広い28cを組み合わせる事でより空気抵抗の低減を狙う事もできます。
- タイヤサイズ:700x25~28c
- ギア構成:フロント52/36T リア11/34T
1-3.ロングライド
タイムよりも快適さ、楽しさを求めるのがロングライド向けのロードバイクです。エンデュランスロードバイクとも呼ばれています。
レースバイクとしての性能を誇る軽量&エアロモデルに対して、30~32cといった幅広のタイヤは振動吸収性が良く、下り坂でも安心感があります。
タイヤの他にもバーテープやシートポスト、サドルといったパーツに快適性を持たせた製品が使われている事も多く、長距離での乗り心地が軽量&エアロモデルよりも良くなっています。
またギヤの構成も軽いギア比を採用しているため、登り坂も安心して登る事ができます。
特にレースに出るという目的を考えていない方には、こちらのようなロングライド向けのロードバイクが初めてのロードバイクとしては扱いやすいでしょう。
- タイヤサイズ:700x30~32c
- ギア構成:フロント50/34T リア11/34T
1-4.オフロード向け(グラベルバイクとシクロクロスバイク)
ドロップハンドルを採用し、形状はロードバイクと似ているものの未舗装路を走るための自転車が、グラベルバイクとシクロクロスバイク。
グラベルバイクは700x40c~50cといった幅の広いタイヤを使用し、悪路での走破性を高めています。
また、キャンプツーリングなどに備えボトルケージやキャリア、泥除け用のダボ穴(ネジ穴)を装備したフレーム/フォークも多く、バッグなどを取付けるとキャンプツーリングなどの楽しみが増えます。
路面追従性を高めたサスペンション付きや足つき性を高めるようにレバー操作でサドルを上下させる事ができるドロッパーシートポストといったものを採用したグラベルバイクも登場してきています。
- タイヤサイズ:700x50c
- ギア構成:フロント40T リア10/52T
グラベルバイクと同じオフロード向けの自転車であるシクロクロスバイクですが、こちらは競技に特化してデザインされているのが大きな特徴です。
グラベルバイクにあったダボ穴(ネジ穴)がシクロクロスバイクには無い製品が多く、またギア比もグラベルバイクとは異なっています。
タイヤサイズはレース規則に則り、700x33cを採用しています。
- タイヤサイズ:700x33c
- ギア構成:フロント40T リア11/36T
2.ロードバイクの素材
技術の進歩によって様々な素材が使われています。
- スチール
- アルミ
- カーボン
3-1.スチール
スポーツ用自転車の歴史の初期の頃から使われているスチール。
細身の丸い形状のパイプを組合せて作られ、シンプルでクラシカルなデザインに人気があります。
量産品は価格が抑えられている事が多く、馴染みのある素材とも言えるでしょう。
また、国内外で活躍するフレーム作りの職人であるフレームビルダーによるハンドメイドのロードフレームの素材として多く使われています。
3-2.アルミ
スチールと比較すると軽く、雨にも強いという特徴から自転車にも多く使われるようになったアルミは、軽さが重要な要素の一つとなるスポーツバイクシーンでは特に人気のある素材です。
カーボンと比較すると価格も抑えられるため、エントリーレベルの競技用モデルの主流の素材となっています。
3-3.カーボン
高い振動吸収性と軽量な事からプロ用ロードバイクの主流となっているのがカーボンです。
金属素材と比較すると形状の自由度が高く、エアロ効果や形状による振動吸収性の向上を追求した独特なデザインもまたカーボンの特徴となります。
軽量であるがため、転倒落車時などに破損も多く他の素材と比較すると、取扱いには注意が必要です。
3.付属している部品(パーツ)
大まかに分けるとロードバイクは下記のような部品(パーツ)で構成されています。
骨格となるフレームの素材と同様、部品(パーツ)も素材の軽さや耐久性などによってグレードが異なる他、電気で作動する変速機や自動車同様に油圧で制御するブレーキなど、様々な製品が流通しています。
タイヤや駆動系の部品は使用していると消耗するため、初回購入時に使用していたものから後々アップグレードを行うという使い方もできます。
乗り込むにつれて、自分の乗り方に合わせ各所の部品を交換していくというのもロードバイクの楽しみ方の一つです。
- ハンドル
- ステム
- ホイール
- タイヤ
- 変速機
- クランク・チェーンリング
- スプロケット
- チェーン
- ブレーキ
- サドル
- シートポスト
目的に合わせロードバイクをチョイス
レースやイベントを主体に考えるなら、軽量&エアロモデルを。
ソロや仲間で週末のロードサイクリングを楽しむなら、ロングライド向けモデルを。
オフロードも楽しむならグラベルバイク、シクロクロスレースならシクロクロスバイク。
といったように、目的に合わせロードバイクを選ぶ。
走るにつれて、自分の好みなどに合わせパーツを変えていく。すると楽しみ方と行動範囲が広がります。
各地でスポーツバイクの乗り方やメンテナンス方法の講習会を開催
乗り方や自宅でできるメンテナンス方法、出先でのトラブル対処を教える講習会が全国各地で開催されています。
画像提供:株式会社ジャイアント