COLUMN 非UCIフレームってなに!?面白自転車?その正体を明かす
- UCIってなに?
- 非UCIはこうして生まれた
- 非UCIフレーム、バイクの特徴
- 非UCIフレームに乗るうえで注意するべき点
- まとめ
1 UCIってなに?
UCIとは国際自転車競技の略称で正式名称はUnion Cyclist Internationaleといいます。
様々な自転車競技に関するルールやレギュレーションの規定を決めたり、ドーピングが無いか調べたり、ランキング制度の運営などの自転車競技全般を総括する団体です。
2 非UCIはこうして生まれた
タイトルにもある非UCIですが、実は明確にそういうカテゴリーがあるというわけではないのです。
普通の自転車と何が違うのか・・・自転車競技界の歴史の1ページ、大人の事情ありありなお話を簡潔にご説明いたします。
1990~2000年代のお話です。
従来より速い自転車を作るためには何が重要か・・・フレームをどうすればいいのか・・・軽さともう一つ、当時の最先端メーカーがたどり着いた答えが空気抵抗でした。
今までの丸いパイプを繋いだフレームよりも尖らせて・風の抵抗を受けやすい縦のパイプを減らし・前傾姿勢にこだわり・・・技術の粋を尽くし極限まで速さにこだわった結果、当時の常識では考えられないような独特のフレームで1時間漕ぎ続けて何km走れるかの記録を大幅に塗り替える選手が2人現れました。
ですが特別すぎるフレームは小さな町工場で作るのが難しく、主流になるとUCIの地元のフレーム工房が潰れてしまう!
更に上記の選手の一人に至っては洗濯機等の廃材から作った自作の自転車でアマチュアなのにプロより速い!
地元の工房を守るためにUCIが取った選択は""レギュレーションを厳しく設定して王道な形のフレームのみ参加できるようにして特殊な自転車で出した記録を無効にする""でした。
そうして""UCI公認の自転車""と認められていない""UCI非公認の例外な自転車""・・・通称、非UCIと呼ばれるグループが生まれました。
ちなみに普通の自転車イベントや街レースには参加できるのでご安心ください!
3 非UCIフレーム、バイクの魅力と特徴
筆者の考える非UCIの1番の魅力、それはロマンあふれる形状です!
普段よく目にする三角形のフレームとはかけ離れた風の抵抗を抑える為に極限まで独創的で洗礼されたデザイン。
しかしそれでどうやって強度を確保するのか?ポジションの調整は?
そういった問題を奇抜な発想でクリアして実用性を持たせた、普通の自転車の常識の先にある究極のフレーム!
技術者の空力性能にかける情熱を思うと胸が熱くなります!
空力性能がいいのでもちろん速く走れます。(運動機能には個人差があります)
筆者の貧脚では実感できるほどの速度で走る事は稀ですが、トンネルだったり下り坂での加速性能はスーパーマンの気分になれます。
4 非UCIフレームに乗るうえで注意するべき点
非UCIフレームを使っていて一番困る事、それは間違いなく補修部品の確保です。
ここまでで散々書いてきた""特殊な形""という言葉が重くのしかかります・・・
シートポストやシートクランプ・ヤグラは勿論、フレームによってはフレームの一部の交換が必要になる場合もあります。
しかし、その特殊性ゆえ汎用品が付かないケースが多く、年式によっては製造終了していて修理不可となる場合も・・・
なかには手に入らないから加工業者に発注したり自作するマニアもいます。
特に古いフレームの場合は接着剤の剥離やサビ等の経年劣化のリスクも付きまといます。
一般的な自転車とはいろいろな意味でかけ離れているので、修理には愛と根気が必要になります。
5 まとめ
全て筆者の主観にはなりますが、簡潔にまとめると非UCIとは""少しでも速く走りたいという情熱と技術の結晶""です。
それぞれのフレームが唯一無二の形状で、まさに芸術品。
見たことない様な特別なフレームで作る、見た目も構成も全て特別な""自分だけの1台""は愛着もひとしおです。
ライド仲間との会話が盛り上がる事も間違いなし!
ただし高額だったり、比較的安い!と思ったら古くて難ありだったりする事も多々あるので、予算と気持ちと相談してよくよく調べて慎重に選びましょう。
トライアスロン用に現在も一部のメーカーで製造されているようなので、興味のある方は是非!
ライター情報
名前:公納良太