COLUMN まずはココカラ!簡単メンテナンスで自転車の寿命アップ!
- 自転車はメンテナンスが必要な乗り物
- 普段からすること
- たまにすること
- 少しでも迷ったら自転車店へ
- セルフメンテナンスは楽しい
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自転車はメンテナンスが必要!
まずはこの基本的なことを覚えておいていただきたいと思います。
自転車に限らず乗り物は全てメンテナンスが大切です。移動するためには、その動きに着目すると、走ったり曲がったり止まったりしていますが、その全ての動作において何かしらの部品が仕事をしています。
例えば走り出す時は、ペダルに力を入れるとクランクと呼ばれる部品が回ってチェーンを通じて後ろの車輪が回ります。
止まる時にはブレーキが回転する車輪を止めてくれます。
これらの仕事をする度にちょっとずつですが部品に力が加わり摩耗したり消耗したりします。何度も繰り返しているうちに、ある日限界を迎えて、仕事をしなくなります。自転車を安全に乗るためには部品が完全に仕事をしなくなる前に、状態をチェックしトラブルを未然に防ぐことが大切!
例えば走っている最中にチェーンが外れてしまう、程度だったら良いかもしれませんが
(とはいってもこれはこれで危険ですし、起こらないに越したことはありませんね)
最悪の場合、坂道を下っている最中にブレーキが効かなくなってしまい、大型トラックが行き交う国道にそのまま突っ込んでしまう・・・なんてことも起こらないとは言えません。
実際に自転車の整備不良が原因で発生してしまう事故もたくさん存在します。。
皆様の安全のためにも、そしてご家族友人、周りの人達の安全のためにも、ひいては日本の全ての人たちが安全安心に自転車に乗ることができるように、ぜひ今回のメンテナンスのお話を覚えておいていただけると幸いです。
普段からすること
としては、一点だけです。それは
「タイヤに空気を入れること」
「え、たったそれだけ?」
と思われるかもしれませんが、実はこれ、重要な事なんです。
自転車のタイヤの中には、ゴム製のチューブが入っています。チューブとは分かりやすく言うと風船のようなものです。空気を入れることでチューブが膨らみタイヤを保持してくれます。
ゴム製以外のチューブも存在します。この中に空気が入って膨らんでいくわけですね。
さて、自転車の空気ですが、当然放置しているとどんどん抜けていきます。風船がいつかはしぼんでいくように、自転車のタイヤの空気もどんどん抜けていきます。
いったいどのくらいで抜けるのでしょうか??
例えば1年間空気を入れずに自転車を放置しているとタイヤはぺちゃんこになります。
これは極端な例ですが、毎日自転車に乗る人だと、一か月程度で空気が減り始めます。
そしてこの空気が減っている状態で自転車を乗り続けていると以下のようなデメリットにつながります。
・乗り心地が悪くなる
・自転車が重たく感じる
・タイヤが傷みやすくなる
・パンクしやすくなる
いかがでしょうか。ただ空気が少ないだけなのに、これだけのデメリットが生じてしまいます。それだけタイヤの空気圧は重要であり、日頃からチェックしておくことが重要です。
「月に一度は自転車の空気を入れる」
これを習慣化するだけで自転車を快適に乗ることができますよ。
おすすめです!
たまにすること
・洗車
・各部の注油(オイルをさす)
・増し締め(ネジやボルトの緩みをチェックする)
空気入れ以外にはこの3点がおすすめです。
目安としては3ヶ月から6ヶ月に1回程度でしょうか。
一つ目の洗車は、自転車を綺麗に保つことはもちろん、各部の異常をチェックする目的もあります。
洗車をすることで、タイヤやチェーン、ケーブル類やブレーキシューをよく観察することができます。観察する中で例えばタイヤがすり減っていたり、ブレーキシューがなくなっていることに気づきやすくなります。
二つ目の注油は、部品の動きを滑らかにする働きがあります。
代表的な場所としてはチェーンが挙げられます。しっかりと注油されている場合は、チェーンがスムーズに動き、ペダルを漕いでいてもスムーズに動いてくれます。
逆にこの油が切れてしまうと、ペダルを漕ぐのが重くなります。またその状態で長時間乗っていると、チェーンが錆びてしまい、寿命がグッと短くなってしまいます。
症状として分かりやすいのは、チェーンからの異音です。具体的にはペダルを漕いでいると足元から「ギシギシ」と言った金属混じりの音が聞こえてくるようになります。
しっかりと注油をしてあげることで、チェーン周りのトラブルのほとんどを防ぐことができます。
三つ目の増し締めは、ネジやボルトの緩みをチェックすること。なので厳密には増し締めというよりは単純に「確認」するだけでも OK です。これは初心者から本格的なサイクリストまで自転車に乗る前にはぜひともチェックして頂きたい項目です。
たとえ組み立て時に適正なトルクで締め付けられていても、部品の精度の問題や、長時間の使用による振動、あるいは温度変化などで、不意に締め付けが緩んでしまうことがあります。これらにいち早く気づくことが重要です。
乗車前点検として以下のような作業が有効です。
・自転車を十センチほど持ち上げて落としてみる。
・自転車の前に立ち前輪を太ももで挟みながらハンドルを左右にひねってみる。
・サドルを持って左右にひねってみる。
・車輪を持って横方向に力を加えてみる。
・ペダルを持って横方向に力を入れてみる。
この作業をして異音がしたり部品が動いたりすると、ネジやボルトが緩んでいる可能性があります。 その場所を発見したら、適正な力加減(トルク)でで再度締め付けましょう。
4 少しでも迷ったら自転車店へ
基本的なメンテナンスは以上です(応用編はまた別の機会に!)。
いかがでしょうか。これくらいの内容であれば、習慣化することもできるのではないでしょうか。
「たったこれだけ?」というような内容ですが、これらをするのとしないのとでは大違いです。面倒ではない範囲でできることからやって行く。これがセルフメンテナンスの入り口になります。
また、少しでも迷ったら自転車店へ相談しましょう。自転車を持っていくのが確実です。
場所によっては放置しているとより症状が悪化してしまったり、最悪の場合走行中のトラブルにより事故や怪我に繋がってしまう可能性もあります。
全くわからない場合は、定期的にお店へ自転車を持ち込んで点検してもらいましょう。大抵の自転車店では「一式点検」「オーバーホール」といったメニューを用意されています。自転車は自動車のように車検制度がないのでつい忘れがちですが、自動車と同じように重要なことです。安全安心して乗り続けるためにも、定期的な「自転車の検診」をしてもらいましょう。
5 セルフメンテナンスは楽しい!
セルフメンテナンスは道具を揃え自転車の知識を習得し技術を磨けば誰でもすることができます。まずは簡単なところからでも良いので、実際に自分の愛車をメンテナンスしてみてはいかがでしょうか。
それだけでぐっと愛着がわきますし、もっともっとカスタマイズしたり、ドレスアップしたくなるかもしれません。(お金はかかってしまいますが)きっとその先には楽しい世界が広がっています。
しばしば自転車は「1/1サイズのプラモデル」と表現されます。沢山の部品で構成されていますが、それら全てカスタマイズすることができるのです。
「カスタマイズするため」ではありませんがセルフメンテナンスはその第一歩。
まずは空気入れ、洗車、注油、増し締めから初めて行き、快適な自転車ライフを送ってみてはいかがでしょうか。