COLUMN 【自転車相談室】自転車の盗難防止のための鍵の選び方と効果的な鍵のかけ方
サイクリングをしているとふと気になった場所で停まることがあります。
気になったカフェに立ち寄ったり、歴史ある神社にお参りしたり、観光するために停まったり...。
そんな時に必須なのが「鍵」。
鍵と一言で言っても、サイズの違いや構造の違い、素材の違いなど、自動車やバイクと違って自転車の鍵は多種多様です。
自転車の鍵の選び方や鍵のかけ方について紹介します。
※クロスバイクやロードバイク等、スポーツ自転車をイメージして紹介します。
開錠方法は「番号式」と「鍵式」の二種類。
番号式はあらかじめ設定した番号を合わせることで開錠することが出来る構造の鍵。
多くの製品は3桁~4桁の番号を合わせるようになっています。
また、一部製品を除けばほとんどの製品は鍵の番号を自分の好みで設定することが出来ます。暗証番号のようなイメージですね。
「鍵式」と比べると開錠に必要な鍵を管理する必要が無くなるため、紛失や置き忘れが不安な人は番号式がおすすめです。
ただし、実際に使用してみると分かりますが、狭い駐輪場や夜真っ暗な場合などは、番号ダイヤル合わせに手こずることもしばしばです。
また、これはよくある話ですが...
番号式の鍵は、施錠した後に第三者が見ても暗証番号が分からないようにダイヤルを回す必要がありますが、自分で開錠しやすいように「特定の数字だけ回す」「一桁だけ回す」としてしまう事例が多く見られます。パッと開錠したいのでついついやってしまいがちですが、裏を返せば誰かが開錠しようとしたときに暗証番号が突破されやすくもなります。
番号式の鍵を使用される際には、暗証番号が突破されないように、施錠時には番号をぐるぐる回して分からなくしましょう!
そしてなにより設定した番号を忘れないことも大切。他の人にバレずかつ覚えやすい番号で設定しましょう。
荷物を減らしたい&鍵の管理が手間になるサイクリングでは番号式の鍵が人気。
製品数も多いので好みのサイズや強度の物を選びましょう。
一方で「鍵式」は家の鍵や車の鍵と同じように、施錠/開錠の際に鍵を必要とするもの。
(施錠はワンタッチで鍵が不要の製品もあります)
暗証番号を設定する必要も無く、また暗証番号を突破されるリスクもないためセキュリティ的には安心感が強いとされています。
ただし鍵を管理する手間があること、鍵を紛失してしまうと鍵を破壊する必要があるなど、注意すべき点もあります。
特に頑丈なU字タイプや金属製のものはこの「鍵式」を採用しているものも多く、盗難被害のリスクをなるべく減らしたい方にはこちらのタイプがおすすめです。
コンパクト/簡易タイプ
サイクリングではなるべく荷物を軽く、そしてコンパクトにしたいもの。
そう言った要望に合わせて様々なメーカーからコンパクトな鍵が発売されています。
製品によってはポケットに入るサイズのモノや、自転車のハンドルやサドル下に取り付けることができるものもあったり、便利な製品がたくさんあります。
ただし、これは鍵の宿命ですが、一般的には軽量コンパクトになればなるほどセキュリティレベルが下がる傾向にあります。
あくまで一時的なもの、簡易的なものとして、短時間での駐輪や、他の鍵と組み合わせるダブルロックと言った使い方におすすめです。
ワイヤー/チェーンタイプ
スポーツ自転車用の鍵として多くの方に選ばれているタイプです。
素材やサイズも様々で選択肢も数多く存在しています。持ち運びのし易さや軽さと言った使いやすさと、鍵の強度、セキュリティとのバランスが良く、普段使いにはこちらのタイプがおすすめです。
先述したコンパクト/簡易タイプと併用すればダブルロックとしてより高いセキュリティレベルを実現することも可能。
番号式、鍵式どちらも選択肢が多いため、ご自身の好みに合わせて選ぶことが出来ます。
U字ロックタイプ
バイクの盗難防止に使われるような大きくて頑丈な鍵です。大きくて頑丈でそして重いため、持ち運びには少々苦労します。
ですが、セキュリティレベルはトップクラス。
他のタイプに比べて切断や破断に強く、大切な愛車を盗難から防止するのに役立ってくれます。
サイクリングで持ち運ぶのは少々手間ですが、長時間駐輪するシチュエーションや、マンションの駐輪場やガレージ駐輪などではおすすめ。
絶対に盗難被害に遭いたくない方におすすめです。
その他の鍵
テクノロジーの進化により、自転車の鍵も新しい製品がどんどん登場しています。
自動車のように不正開錠や振動を感知すると大きなアラート音が鳴る鍵や、「AirTag」のようなGPSを組み込んで盗難被害に遭った場合でも追跡することが出来る鍵も登場しています。
おすすめの鍵のかけ方
スポーツ自転車の鍵をかける際には、フレーム+車輪がおすすめ。
車輪に施錠するだけでも走ることが出来なくなるため一定の防犯効果はありますが、多くのスポーツ自転車は車輪を簡単に脱着することが出来ます。
これを逆手にとって車輪だけ施錠したスポーツ自転車の車輪を外して、自転車本体だけが持ち去られてしまう...なんてことも。
そうならないようにも、フレーム(自転車の三角形の部分)と車輪どちらも通過するように鍵を「くぐらせて」ロックするのがおすすめです。
また「地球ロック」と呼ばれる方法もあります。
これは何かしら固定された構造物と自転車(のフレーム)のどちらにも鍵を通してロックすると言う方法です。
ある程度の長さの鍵でなければこの地球ロックは出来ませんが、「施錠した自転車ごと持っていかれる」被害を防止することが出来ます。
複数台でグループサイクリングをする場合などは、個別の鍵とは別に、長いワイヤー錠で仲間の自転車をまとめて一括りに施錠する方法もあります。
「自分だけは大丈夫」と思って油断していると、いつか大事な愛車を失ってしまう可能性も...。。
盗難被害に遭わないためにも、そして盗難を誘発しないためにも、自転車から離れる際にはしっかりと施錠をしましょう!